それでは早速、ゲーム制作を始めたいと思います。
まず、解凍したフォルダから「data」フォルダを開いてください。
このフォルダが今後ゲームに関する情報を保存する場所になります。
今後はこのフォルダを「プロジェクトフォルダ」と呼ぶことにします。
それでは、プロジェクトフォルダの役割を簡単に説明しておきます。
今は「こんなのがあるんだ〜」くらいの感覚でかまいません。このあと、必要な場面になったら詳しく説明します。
プロジェクトフォルダの中から、scenarioフォルダを開いてください。
その中の「first.ks」をエディタで開きます。
中にはサンプルゲーム用のスクリプトが書かれていますので全て消してください
まっさらな状態になったら、以下の内容をコピーしてfirst.ksに貼り付けてください。
;チュートリアル用スクリプトファイル
*start
[wait time=200]
吾輩わがはいは猫である。名前はまだ無い。[l][r]
どこで生れたかとんと見当けんとうがつかぬ。[l][cm]
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。[l]
吾輩はここで始めて人間というものを見た。[l][r]
;チュートリアル用スクリプトファイル
注目すべきは、文章の最後についているタグです。吾輩わがはいは猫である。名前はまだ無い。[l][r]
どこで生れたかとんと見当けんとうがつかぬ。[l][cm]
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。[l]
吾輩はここで始めて人間というものを見た。[l][r]
ティラノスクリプトでは、通常の文章とタグを組み合わせてゲームを作成していきます。
角カッコ [ ] で囲まれている部分がタグです。
タグは普通の文章とちがって、ゲームに動きを与える特別な動作をします。
例えば、[ l ] はクリックを待つという動きをゲームに与えましたね。
もう一つ例を挙げますと
[wait time=2000]
このタグの場合wait というタグ命令 と time=2000 という属性が付与されています。
意味は処理を一時的に止める(wait) 2000ミリ秒の間(time=2000)
つまり、このタグの場所で2000ミリ秒間、処理を止めることができる命令です。
タグには沢山の種類があり、それらを使うことで多彩な表現ができるようになります。
ただ、タグの基本はこれだけですから、後は使用方法を調べるだけで使えるようになるでしょう。
タグは以下のように書くこともできます。意味は全く同じです。
@wait time=2000
( [wait time=2000]と全く同じ動作)
@(アットマーク)で始まる行はタグとして認識されます。
ただし、1行で完結させる必要があります。
メッセージは縦書きで出力することも可能です。
ゲーム全体で縦書きの場合はプロジェクトファイルのsystem/Config.tjsを編集しておきます。
Config.tjs
// ◆ 縦書きモード
// メッセージレイヤを標準で縦書きモードにする場合は false ではなく true を
// 指定してください。
;vertical = true;
ここまで横書きで表示されています。[l][r]
縦書きに変更します[l][cm]
[position vertical=true]
ここは縦書きで表示されていますね?[l][r]
横書きに戻します[l][cm]
[position vertical=false]
[cm]
横書きで表示されていますね?
テキスト表示エリアが常に下に表示されている形式のゲームの作り方も見ておきましょう
メッセージエリアの高さと横幅を指定することで、メッセージウィンドウの大きさを調整します。
以下のようにスクリプトを記述して保存して下さい
メッセージウィンドウの高さを変更します[l][cm]
[position height=160 top=430]
[cm]
メッセージウィンドウが下に表示されましたね?
ティラノスクリプトでは、メッセージウィンドウをゲームの雰囲気に合わせた独自のものに変更することが可能です。
最初に、以下のようなオリジナルのフレーム画像を準備しておきます
配置する場所はプロジェクトフォルダのimageフォルダに配置してください。ファイル名はframe.pngとしておきます
【フレーム画像 (822px × 248px) 】(素材:びたちー素材館様より)
準備できましたか?それでは以下のように[position]タグを指定して下さい
[position layer=message0 width=800 height=300 top=380 left=70 ]
[position layer=message0 page=fore frame="frame.png" margint="65" marginl="50" marginr="70" marginb="60"]
[cm]
メッセージウィンドウが下に表示されましたね?[r][l]
ここにメッセージが表示されています。[r][l]
ここにメッセージが表示されています。[r][l]
[position layer=message0 frame="frame.png" margint="65" marginl="50" marginr="70" marginb="60"]
メッセージフレームに独自のフレーム画像を適応しています。margint(上) marginl(左)marginr(右)marginb(下) は 外側のフレーム画像と実際に文字が表示されるレイヤの隙間をピクセルで指定します。
[position width=800 height=300 top=380 ]
メッセージレイヤの表示位置適応
いかがでしょう?かなり柔軟にゲーム画面を作ることができそうですね。